「日本軽視のヒラリー論文」国際問題評論家 古森 義久氏2007年10月23日
うすうす前からわかってはいたような気がする。ヒラリー・ロダム・クリントン米国上院議員はきっと日本に関心がほとんどないと言うことは…。
彼女の自伝が出たときに読んでみたのだけれども、確かに日本に関する印象は薄いような気はしていた。でも、それは自伝であって彼女の将来の大統領としての外交政策を論じている今回のような場面においてではなかった。
筆者は日本という単語が彼女の論文に登場している回数をことさらに強調し、登場の仕方も詳細に語ってはいるが、これを読む限り確かに非常に軽視しているような気はする。
ただここで原著を読まずに人が批評したものをさらに批評しても全く意味がない。
なので原著はこちら(Foreign Affairsのページが開きます)
一読してみました。
専門家でも何でもない一般市民の意見にはなるのですが、原著を読むと確かに日本についての記述はほぼありません。でも、イギリスも同様な扱いではないでしょうか。
Strengthening Alliancesというパートを見ると、ヨーロッパとの関係修復、次にアジアとなっています。ただ、ヨーロッパとの関係修復では、英国の扱いも、フランス、ドイツ、英国となっており、重要度を単に順番や記述の薄さから見るのであれば、英国に言及があるのはこの一カ所のみです。
中国についての記述は筆者の指摘するように非常に詳しく書かれています。ただし、Security Through Statesmanshipというパートで、中国の記述の前には、核兵器を保持している疑いがあるイランについて非常に詳しく、また北朝鮮についても記述があります。そしてその次にロシアについて記述があります。中国は環境問題という位置づけで書かれているように読めます。
これらの扱いは何を意味するのでしょうか?米国の安全保障にかかわる国々として、イラン、北朝鮮、中国、ロシアがあげられ、同盟国としての国々に先ほどのヨーロッパやアジア、南アメリカなどの記述があるのです。
筆者の指摘するようにその部分だけ取り出すと、このセンテンスが他の全体の中でどのように位置づけられているのかが明確ではありません。素人の勝手な憶測と指摘ですが、日本は米国にとってどうでも良い国になったとは思いません。確かに彼女の中では日本は印象が薄いかもしれません(彼女のことを知る直接的な手がかりは、彼女の自伝しかないので、これは勝手な小生の思いこみですが)。
しかし、日本が先の中国との環境問題に対するクリーンエネルギー開発などで名前が出てくるのは、逆に非常に期待されているのではないでしょうか。確かに資金面での目当てもあるでしょう。しかし、中国の環境問題という部分で名前を挙げられた国は日本のみなのです。中国と対話をすすめていく上で、米国にとって日本は非常に重要な同盟国ではないでしょうか。
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