検察は「暴走」したのか - 池田信夫 blog

堀田力氏がいう「隠したくなるような類の政治資金を授受するのはやめてくれ、というのが政治資金規正法の趣旨だ。」というのは、本当なのでしょうか。さらにいうと、政治家は収賄での立件が難しいから、政治資金規正法の形式犯で捕まえて処罰するというのは、あまりにも法治国家の域から逸脱しすぎているように思えます。


実際にこの法律が議員立法として決議されたときに政策秘書として現場にいたフリージャーナリストの松田光世氏が述べているように、政治資金規制法には議員のポケットマネーや銀行からの借り入れなどの資金繰りに関する記述は行わないという共通認識が与野党議員にはあるようです。また同規制法の12条の文言や、政治活動の自由を確保するために「資金繰りは公開の対象外とする」というころが与野党合意で決まっているようです。さらに収支報告書には年末時点の借入金残高を書くというのが、政治資金性法上の記載義務であることからも資金繰りについて書かないことが理解できます。

この法律は議員立法であり政治家自らが政治活動の自由を確保しつつ政治資金の透明性を国民に説明するためのものです。

政治家自身が自分たちを律するのは、現実的に不可能で収支報告書の形式や会計帳簿の監査もより厳格なものが必要とされていると思います。現状はひどいザル法だと思います。

とはいえ、現段階では松田光世氏が述べたことが法の趣旨であるならば、検察は政治資金規正法についての捜査を行うべきではなく、建設会社と小沢幹事長の収賄に絞って堂々と裁判で戦えば良かったと思います。収賄の立件は難しいから、替わりに形式犯でしかない政治資金規正法を使って何とか悪いヤツをやっつけるんだっていうのは、法治国家ではないのではないでしょうか。

収賄での立件が難しくても、その難しさや法律のザルさを裁判で争って国民に示し、その結果国民からの声で政治家が動き法律が改正されていくのが必要なんじゃないんでしょうか。

新聞各紙の世論調査によるといよいよ検察に対して不信感があるようですが、ここまで大騒ぎするのであるから、あらゆる困難があったとしても、収賄に関して確実な物証があったのではないかと思っていました。(もとより職務権限と関係しないため立件は可能でしょうけど)しかし、結局物証はなく立件できなかった結果にかなりがっかりです。

検察が悪いものをやっつけるときは、本命を攻めないで、まずは何とかできそうな形式的な犯罪から身柄を確保して、関係者を絞り上げて脅してなだめて何とか罪を自白させるなんていうことしかしないのはなぜでしょう。

しかも池田さんのおっしゃるように裁判での有罪判決にこだわるあまり、裁判で堂々と争わないというのにもがっかりです。マスコミを通じて世論とコンタクトするのではなく、彼らの本分である裁判を通じて世論形成をするのが筋ではないでしょうか。裁判という枠組みでしっかりやることが重要で、そのために物証をきちんと集めてやるのが何よりも重要ではないかと思います。形式犯で捕まえて締め上げて自白させるというのは、ちょっとあまりにも筋が違うように思えます。


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